東京、2024年12月10日 – 今夏、日本は記録的な猛暑に見舞われ、多くの地域で暑さが続きました。一部の地域では、台風や線状降水帯による記録的な降雨など、厳しい気象が発生しました。
とりわけ9月中旬には、記録的な暑さが続き、全国的に電力需要の高い状態が続きました。これにより電力網に大きな負担がかかり、広範囲で電力需給がひっ迫しました。その結果、国の電力供給を確保するため、容量市場において数日間に渡る、複数のデマンドレスポンスが発動されました。
市場運営者から要請があった場合、当社のバーチャルパワープラント(VPP)は、参加需要家に対して、グリッドの緊急事態に対応して一時的に電力使用量を抑えるか、自家発電機の発電量を増やすよう信号を送ります。複数の大規模な電力需要家が同時に使用量を抑えると、新たに発電機を立ち上げることと同様の効果をグリッドにもたらします。
今夏の容量市場の発動は、過去最多の19日間を記録しました。これを受けて、当社は本年4月にスタートした容量市場において約1GWの発動指令電源の運用を開始しており、同期間に約7GWの容量を市場に供出しました。
エネルエックス・ジャパンのカントリーマネージャー 宮本 博光は、「この成果は、当社の迅速な対応能力を示すだけでなく、国のエネルギー供給の安定化に向けた揺るぎない取り組みへの意志の証です。今後も、市場の変化するニーズに適応し、迅速で柔軟な対応を続け、お客様とともに、よりクリーンで持続可能なエネルギーシステムと、カーボンフリー社会の構築に向けて引き続き取り組んで参ります。」と述べています。
日本のクリーンエネルギーへの転換の核心は、利用可能なすべてのリソースを効率的に使用することです。需要の柔軟性「フレキシビリティ」を活性化するデマンドレスポンスと蓄電池システムは、その重要な要素となります。高度なICTテクノロジーによって実現されたエネルエックスの市場をリードするVPPによって、企業は要求に応じて柔軟に電力を抑制します。世界情勢やエネルギー市場の動向が、日本の電力市場に与える影響について注視する中で、「デマンドレスポンス」の役割はさらに重要になっています。
「容量市場への積極的な参加は、当社の最先端の技術力と、日本に持続可能でレジリエンスのあるエネルギーの未来を創造するという当社のコミットメントを示すものです。今後もデマンドレスポンスの導入を広げ、効率的なエネルギー使用と持続可能な低炭素社会を推進するイノベーションを追求していきます。」と宮本は付け加えました。
今夏の成果は、日本のすべてのチームメンバーと、アイルランドのネットワーク・オペレーションセンター(NOC)のエネルエックス・グローバルチームとの互いの努力、そしてお客様とパートナー様との信頼と協力の結果です。エネルエックスは世界19か国で事業を展開する世界最大の商業・産業用VPPオペレーターであり、今年は1,350回を超えるデマンドレスポンスを実施しました。