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エネルエックス・ジャパン、世界経済フォーラムでデマンドレスポンスによるエネルギーの柔軟性“フレキシビリティ”の向上を提唱

10月23日、エネルエックス・ジャパンは東京で開催された世界経済フォーラムの「エネルギーシステムにおける柔軟性 “フレキシビリティ” の向上」に関するラウンドテーブルセッションに参加しました。エネルエックス・ジャパンのカントリーマネージャーである宮本博光は、そのセッションにおいて、日本のエネルギーシステムの現状についての見解を述べ、世界の多くの国々と同様に、よりレジリエントなエネルギーシステムを構築するためには、企業が需要の柔軟性を活用する必要性を強調しました。

 

このセッションには、さまざまな業界の著名な関係者が参加し、特にエネルギー集約型産業におけるエネルギー消費の近代化とエネルギーセキュリティの強化に向けた協力的な戦略に焦点を当てました。

需要の柔軟性“フレキシビリティ”: 日本のエネルギー転換の先駆け

日本は電力需要が増加していく中、電力市場が自由化されており、再生可能エネルギーへの移行のために、発電側だけでなく、需要側も電力の選択や利用方法に積極的に関与できる環境が整っています。政府は、半導体工場や人工知能(AI)1を支えるデータセンター等の需要増加により、2050年までに電力需要が35~50%増加すると予測しています。価格の急騰や供給の混乱を管理し、より多くの再生可能エネルギー電源を受け入れるために、日本の市場は需要の柔軟性 “フレキシビリティ” を高めることにますます焦点が当てられています。

 

エネルエックス・ジャパンのカントリーマネージャー宮本博光は、急増する電力需要と再生可能エネルギーの統合に対処するための戦略的なソリューションとして、デマンドレスポンス(DR)が果たす重要な役割を強調しました。「発電が中央集約型から分散型へと移行するにつれて、電力需要家の役割も消費者からプロシューマーに変わりました。私たちのDRバーチャルパワープラント(VPP)は、数百の商業および産業(C&I)需要家のサイトをネットワークに接続し、それぞれのサイトの設備や発電機、その他の資産の需要負荷を、グリッドを支えるための単一の大きな電力資源として提供します。これが、コミュニティ内の既存のリソースで構成される“バーチャル“パワープラントといわれる理由です。大口のエネルギー利用者が同時に一定時間、電力需要を低下させることは、新たな発電を立ち上げるのと同じ効果をグリッドに与えます。これにより、グリッドでより多くの再生可能エネルギーを支えることができます。」と宮本は述べました。

 

ビジネス機会と持続可能なインパクト

企業は、VPPに参加することで「可用性(アベイラビリティ)」と「実際の応動(アクティベーション)」の双方の対価を得ることで、より安定したレジリエントなエネルギーインフラに貢献するよう動機付けされています。エネルエックスのVPPに参加することで、企業は潜在的なグリッドのひっ迫に関する通知を早期に受け取り、予防的に生産調整を行うことができます。さらに、DR参加による収益は、新たな収益源を提供し、さらなる持続可能性のイニシアチブに再投資できるため、ビジネスのレジリエンスと環境目標達成の両方に寄与します。

DRを採用するもう一つの重要な理由は、より多くの再生可能エネルギー電源をグリッドに統合できることです。再生可能エネルギーは気象状況の影響を受けやすく、変動性があることで知られており、DRはグリッドの強化を助け、供給と需要の不均衡がある際に、必要な電力を供給し続けることに役立ちます。

 

2016年の日本におけるDRの導入以来、エネルエックスは、電源1’などの調整力プログラムやその後の需給調整市場および容量市場への参加を先導しています。エネルエックス・ジャパンは約1.6GWのDR容量を持ち、約200の商業および産業(C&I)施設を管理しており、これは日本の容量市場の発電指令電源の総容量の4分の1以上に相当します。

Demand Response and the Energy Transformation

デマンドレスポンスとは?

電力の柔軟性向上に向けた意識改革と機会創出

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多くの企業は、もともと柔軟性”フレキシビリティ”を供出する能力を備えていますが、その潜在能力を引き出すためには、複数の電源を集約できる適切なアグリゲーターをパートナーにすることが必要です。

宮本 博光

エネルエックス・ジャパン株式会社 カントリー・マネージャー

日本での需要側の柔軟性増加は、世界中の多くの国で進行中のトレンドと一致しています。 Enel Xは、世界最大の商業・産業用仮想発電所(C&I VPP)のオペレーターであり、18か国、14,000以上の事業所に参加いただき、あらゆる商業・産業分野の電源を集約し管理しています。私たちは、9GW以上の柔軟な需要を形成することで、再生可能エネルギーへの移行を支える電力網をサポートしています。

 

日本のエネルギーおよび産業部門が柔軟性を高めるために必要な施策について、宮本は次のように述べています。「多くの企業は、もともと柔軟性を持つ能力を備えていますが、その潜在能力を引き出すためには、適切なアグリゲーター(複数の電源を集約できる事業者)をパートナーにすることが必要です。エネルギー利用者に対して、電力の柔軟性がもたらす利点を広めることが私たちの使命の大部分を占めています。」

 

市場での経験に基づくと、多くの商業・産業ユーザーは、デマンドレスポンス(DR)プログラムについてまだ認識が不足していたり、情報不足のために参加をためらったりしています。しかし、エネルギー転換が進む中で、DRは魅力的なビジネスチャンスを提供します。

 

デマンドレスポンスは、コミュニティ内の既存のリソースを活用することで、電力網を強化するための最も迅速で安価かつ効率的な方法の一つです。新しい発電設備は高価で建設に時間がかかりますが、DRは即時に利用可能で、既存の資産を二次的に活用する持続可能な方法です。これは、資源を無駄にしない循環型経済の原則にも合致しています。

 

このように、デマンドレスポンスの活用は、電力の安定供給を支えるだけでなく、企業にとっても新たなビジネスチャンスを提供するものとして注目されています。

 

日本の脱炭素化への道を支援するEnel X

世界経済フォーラムのセッションにおいて、エネルエックスは日本の脱炭素化への移行を支援するリーダーシップを強調しました。柔軟な需要の可能性を引き出すことで、日本のネットゼロ達成を後押ししています。日本のエネルギー環境が進化を続ける中、エネルエックスは、企業が脱炭素化に向けた変革を主導できるよう、より持続可能なエネルギー選択を促進することに尽力しています。